不眠治療で不安症やうつの症状が緩和されることを確認(英研究)


うつで不眠になるのではなく、不眠がうつを作る可能性。

不眠治療によって、不安症やうつの症状まで緩和されるらしいことが明らかにされた。

睡眠の問題は、不安症やうつといった心を病んだ人たちに一般的だ。
実際、睡眠障害はよく心の病の1症状だとみなされる。

しかし新たに判明したことによると、正しくは実はその反対なのかもしれない。
つまり心の病は睡眠不足に起因しているという可能性だ。

 

◆不眠の治療を受けたグループに不安症やうつの改善効果

 『The Lancet Psychiatry』に掲載された英オックスフォード大学ダニエル・フリーマン(Daniel Freeman)教授の研究は、不眠症のイギリスの大学生3,700人以上(平均24歳)を対象に行われた。

被験者は無作為に治療グループと対照グループに分けられ、治療グループの被験者はオンライン認知行動療法を受けた。

認知行動療法は、考え方や信念に取り組む手助けをする手法で、ここではCBT-Iという1ヶ月以上続く不眠症にまず試される不眠症向けの療法が施された。

その結果10週後、不眠症の治療を受けたグループの被験者は対照グループとの比較で、不眠が緩和された上に幻覚や偏執症も軽減したことがわかった。

さらに不安症やうつも緩和しており、心理的な健康や認知された機能(自らの日常的な機能についてどのように考えているか)の改善が見られた。

解析からは偏執症の改善の6割が睡眠の改善に紐づけられることも判明した。

この結果から、睡眠はメンタルヘルスにおいて重要な役割を果たしており、医師はまず患者の睡眠改善を優先すべきであると結論づけられた。

「これまで不眠症は他の精神疾患の1症状にすぎないと矮小化されてきたが、多くの人にとってメンタルヘルスの問題の複合的な問題の一部」とフリーマン教授は説明している。

その一方で、多くの被験者が実験を最後まで終えていないことやCBTの長期的な効果をさらに調査する必要があることなど、本研究には限界があることにも注意しなければならない。

2013年にもうつ病の治療には不眠を改善する必要があるという論文が発表された。

うつ病を治す鍵は不眠症にあり(スイス研究)

睡眠不足になると脳は自らを食い始め、ダメージを負う(イタリア研究)