やりがい求めた転職で“うつ病”に…


転職でステップアップや、自分のやりたい仕事に近づきたいって誰しも考えることですよね。

 ところが、そんな希望に満ちた選択がきっかけで、大きな困難に直面している女性がいます。

詳しく話を聞いてみました。

 デザイン事務所勤務を経て大手IT企業に転職。サイト制作の仕事に携わっていたという室田瑞希さん(仮名・33歳・アルバイト/未婚)。

「職場の環境はよかったのですが、もっとクリエイティブな仕事がしたいと思い始めた頃に、ちょうど独立した元職場の先輩から声が掛かって。

 提示された給料は十分なものだったのですぐに転職を決めたのですが、それが貧困人生の始まりでした」


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◆徹夜・休日出勤でボロボロに…

 都内一等地に洒落たオフィスを構えたデザイン事務所での仕事は、最初こそとても楽しいものだったとか。

「大手にいた頃とは違い自由度の高い仕事が多く、やりがいがありました。でも、背伸びして家賃のバカ高いオフィスを借りたり、新規取引先開拓のために価格設定を下げたり、いろいろ無理があったんでしょうね。

一年も経たないうちに徹夜や休日出勤当たり前の膨大な仕事を押し付けられるようになり、スタッフはみんなボロボロ。

 ボスが取ってくる仕事もうさんくさいものが増え、ヤバそうな空気が漂い始めたタイミングで、大口のクライアントとの仕事が打ち切りに……。

 これは間違いなく倒産や給料未払いなどになると思い、いち早く事務所を辞めてしまいました。

冷たいと思われるかもしれませんが、激務とストレスで体調不良が続いていて、再就職先を探す前に少し休みたかったんです」

 自由の身となり、ひとまずは毎日ゆっくりと過ごすことに。これですぐに元気になると思ったそうですが……。

◆“うつ病”と診断され、パニック障害の症状も…

「寝つきが悪く眠りも浅くて疲れるし、肩コリや頭痛がひどく気持ち悪くて食欲も湧かない。

とても再就職への意欲など湧きません

 病院でひととおり検査したのですが特に悪いところはなく、最終的に受診を勧められたのが心療内科。そこで“うつ病”と診断されました。

『もしかしたら……』とうすうす思ってはいましたがショックでしたね」

 診断後すぐ、激しい動悸や不安を感じるパニック障害の症状も出始めたという室田さん。これでは再就職活動どころではありません。

「服や美容、お酒、旅行などに散財しまくっていたので、恥ずかしながら貯金は200万円程度。これではすぐに底をついてしまうので、新潟の実家に帰ることも考えましたが、兄家族が同居しているので帰りづらい。

 というより、田舎の両親は東京でバリバリ働く娘を自慢に思っているフシがあるので、仕事を辞めたこともうつになったことも言いだせなくて……。

限界がくるまでは一人でなんとかするしかないと思いました」

◆シャンプーは3日に1回、冷凍した食パンでしのぐ

 働けない以上、残された道は節約のみ。

毎月、マンションの家賃9万円と保険料1万円、通院費5000円は必ず出ていってしまうため、水道光熱費や通信費、食費などを徹底的に切り詰めているとか。

「お風呂はシャワーのみでシャンプーは3日に1回。服は2~3日同じものを着て、洗濯機をまわすのは週2回。以前の私なら信じられませんが、意外と匂わないし気になりません。

 冷暖房も極力使わないようにし、今年の冬はお湯を入れて湯たんぽ代わりにしたペットボトルを数本抱えて毛布にくるまり乗り越えました。夏は凍らせたペットボトルに囲まれて過ごす予定です」

 また、うつになってから電話もSNSもほとんど利用しなくなったため、スマホは格安SIMの低速プランに乗り変え。月々の支払いが5000円以上安くなったそう。

「食費は、そもそも食欲があまりないので、主食はもっぱら食パン。一斤100円以下のときにまとめ買いして冷凍し、モソモソ食べています。

 栄養補給は月々1000円の青汁と缶詰で。青汁はネットで格安のものを探し、缶詰は主に100均で買うのですが、野菜や肉、魚をこまめに買うよりずっとコスパがいいですし、栄養素もバッチリ、貧乏人は青汁と缶詰を飲み食いすべきですよ」

◆貯金が尽きるまで、あと1年。弁当屋でバイト中

 こんな生活で、月のトータルの支出は13~14万円。

それでも貯金は1年ちょっとしかもたない計算になります。

「もっと安い部屋に引っ越せばいいのですが、田舎の両親に不審がられそうだし、家探しをする気力もなくて。あ、そもそも無職なのでよっぽど訳ありのボロアパートにしか引っ越せませんよね……。

 ともかく、さすがにこのままではマズいと思って、最近仕出し弁当屋で弁当詰めのバイトを始めたんです。


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人前でパニックに襲われるのが不安で接客業はできないので、見かねた親友が人づてに紹介してくれて。

まだ週2~3回、一日4時間程度しか働けませんが、少しずつ頑張っています。

 ただ、そこで働くのはギャンブル狂でまともに働けないおじさんとか、夢破れた元バンドマンとか、完全に目が死んでる人ばかり。

みんな他人に興味がないので気はラクなのですが、『自分もこの人たちの仲間なのか』と思うと余計鬱々としてしまって……。早く抜け出したいです」

うつ病は回復まで長い時間がかかりやすいもの。

うつによる貧困は大きな問題です。