(米研究)インスタグラムの投稿内容から投稿者がうつの症状にあるかどうかを予測できることが判明

SNSの投稿にはあなたの心の健康状態をほのめかす手がかりが残されているという。

最近の研究からは、単語、文字、絵文字はその人の気分や心の状態を表していることが明らかにされつつある。

 『EPJ Data Science』に掲載された米バーモント大学のクリス・ダンフォース(Chris Danforth)氏らによる研究では、被験者166人のインスタグラムアカウントに機械学習を実行し、43,950点の画像からうつを予測しようと試みた。

 その予測結果と医師による診断を比較した結果、アルゴリズムを用いることで平均的な医師よりも正確にうつを診断できることが判明したそうだ。

【うつ病のユーザーは暗い色調を多く使う】

 うつの予想をするために解析対象となったのは色、フィルター、顔の数、ユーザーのコメントとエンゲージメントだ。

 うつ患者ユーザーによって投稿された写真は、青やグレー、暗い色調が見られる傾向があった。

インスタグラムのフィルターはあまり使用されず、用いている場合は白黒の”インクウェル”フィルターに偏っていた。

対象的に健康的なユーザーでは、ほのかに明るくする”バレンシア”が人気だった。

 

左が健康的なユーザーが多く使用する色調
右がうつ病ユーザーが多く使用する色調
10_e

うつ病ユーザーの写真にはコメントが多く寄せられる
多くの人が写っている写真を投稿しないという傾向も

 またうつのユーザーの投稿した写真には多くコメントが寄せられることもわかった。

 他には、うつユーザーは顔が写っている写真を投稿する傾向があったが、1枚あたりに写っている顔の数は健康なユーザーよりも少ないという特徴もあった。

アルゴリズムが人間では察知できないうつ状態を察知

 上記の解析以外に、別の被験者に写真の”幸福、悲しさ、好きかどうか、面白さ”(これらはうつ診断の指標と関連)の評価をしてもらうという調査も行った。

 その結果、人間が評価した幸福と悲しさは、どのユーザーがうつ状態であるか予測したが、アルゴリズムが察知したうつのシグナルとは相関がなかった。

 これはすなわちアルゴリズムは人間では察知できない状態ですら検出できる可能性があることを意味している。

適切なアルゴリズムの使用でうつ症状の診断が可能に

   こうした結果を鑑みるに、インスタグラムのアカウントは、その人がうつを患っているかどうか明かす力があるのかもしれない。

 適切なアルゴリズムを用いれば、訓練を受けた医師よりも優れた診断ができる可能性もある。

将来的には、これを利用してうつの自己診断アプリといったものも登場するかもしれない。

 だが注意点もある。

被験者はアマゾンメカニカルタークという人材マッチングサービスを通じて募集された。

 半数以上の応募者は、研究者にアカウントへのアクセスを認めなければならないことを知ると参加を辞退した。

このためサンプルサイズは十分ではなく、また人口統計データもない。

そのため今回の結果を一般化することはできないことには留意しなければならない。