うつ病の症状


【精神的な症状】

1) 憂うつな気分

うつ病の人は、気持ちが沈み込んでいることがよくあります。このような状態を「抑うつ(よくうつ)」といいます。
「気分が晴れず、やる気が出ない」と思い悩んでいるのです。
こうした症状は午前中にひどく、午後から夕方にかけて改善してくることがよくあります。

2) 興味や喜びの喪失

何をしてもおもしろくないし、何かをしようという気持ちさえ起きなくなってきます。運動が好きだったのに熱中できませんし、テレビでスポーツ番組やドラマを見てもおもしろくありません。性的な関心や欲求も著しく低下してきます。

3) 精神運動の障害(強い焦燥感・運動の制止)

身体の動きが遅くなったり、口数が少なくなったり、声が小さくなったりすることがよくあります。
また、逆に、じっと座っていられないほど焦燥感が強くなったり、イライラして足踏みをしたり、落ち着きなく身体を動かしたりするようになることもあります。表面的には元気そうに見えてしまい、うつ病だと気づきにくいので注意しなくてはなりません。

4) 強い罪責感

うつ病になると、ほとんど根拠なく自分を責めたり、過去の些細な出来事を思い出しては悩んだりするようになります。

一つのことをくよくよ考え込んで、何回も何回もほかの人に確認をしたりするようになることもあります。

5) 思考力や集中力の低下

注意が散漫になって、集中力が低下してくることがあります。そのために仕事が以前のように進まなくなったり、学校の成績が落ちたりするようになります。

また、決断力が低下して、大したことでなくてもあれこれ考えて何も決められなくなります。

6) 自殺への思い

うつ病になると、気持ちが沈み込んでつらくてたまらないために死んだ方がましだと考えるようになってきます。欧米の研究では、入院が必要なほどのうつ病にかかった人の15パーセントが自殺で命を落としていることがわかっています。

うつ病のときには自分の気持ちを抑える力が弱くなっていますから、普通のときなら考えられないような思い切った行動をすることが多くなるのです。

一般的には、うつ病が少し良くなったときに自殺の危険性が高くなるといわれています。

気分が沈み込んで何をする元気もなくなっているときには、死のうと思ってもそれを実行に移すだけの元気さえ出てきません。しかし、少し症状が良くなると、死にたいと考えれば、その気持ちをすぐに行動に移せるようになります。

しかも、こうしたときには本人の気持ちとまわりの人の考えとが食い違いやすくなっています。症状が良くなってくると、外見上は元気に見えるようになるのでまわりの人は安心してしまうのですが、抑うつ症状が強かったときのつらい記憶は簡単に消えないために、本人は良くなったという自覚をもてないことが多いからです。こうした食い違いがあると、本人は誰にもわかってもらえないと絶望的になり、自殺を考えやすくなります。

【からだの症状】

7) 食欲の減退または増加

一般にうつ病では食欲が低下してきます。一方、それとは逆に食欲が高まることもあり、また、甘い物など特定の食べ物ばかりほしくなることもあります。

8) 睡眠障害(不眠または過眠)

うつ病では不眠がよく現れます。寝つきが悪くなるだけでなく、夜中に目が覚めて寝つけなくなったり、朝早く目が覚めてしまったりするのです。悪夢にうなされることもよくあります。
とくに朝早く目が覚めるのはうつ病に特徴的で、いつもよりずっと早く目が覚めてしまうのです。しかも、うつ病にかかっている人は、このように早く目が覚めたからといってすぐに起きあがれるわけではなく、布団のなかで悶々と思い悩んでいることがよくあります。

9) 疲れやすさ・気力の減退

ほとんど身体を動かしていないのにひどく疲れたり、身体が重く感じられたりすることがあるのもうつ病の症状の一つです。

気力が低下して何をする気もおきなくなりますし、洋服を着るといった日常的なことにさえ時間がかかるようになります。何とかしなくてはならないと気持ちだけは焦るのですが、それをするだけのエネルギーがわいてこないのです。