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【予防】認知症発症と「性格」の関係=変えにくい性格にどう対処するか


「怒りっぽい」「落ち込みやすい」など、人にはさまざまな性格がある。
その性格が認知症の発症と関係があるとすれば、発症の予防や早期発見に役立てることができないだろうか。
世界各国で行われている性格と認知症に関する研究でどんなことが分かってきたのか、東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)の増井幸恵研究員に話を聞いた。(2017/07/12 時事通信)

 

神経症傾向との関連

神経症傾向、外向性、開放性、調和性、誠実性といった性格の5因子と健康との関連性についてはさまざまな研究が行われているが、「信頼性の高い知見が積み重なり、その人の持つもともとの性格と年齢による変化、認知症発症との関連などが分かってきました」と増井研究員は話す。

 複数の研究から、神経症傾向が強い人はそうでない人に比べて認知症になりやすく、誠実性、開放性が高い人は認知症になりにくいことが分かっているが、神経症傾向が強いことが脳の細胞にどのような影響を与えるのかはまだ不明だ。

 「ストレスは、記憶に深く関与する脳の海馬にダメージを与えると言われています。神経症傾向が強い人はうつになりやすく、ストレスの影響を受けやすいため、認知症になりやすいのではないかと推察されます」と、増井研究員は話す。

 

行動は変えられる

日本人は欧米人に比べて神経症傾向が高いと言われるが、「日本人は世界的に見て長生きで、神経症傾向が高いことだけが認知症の発症原因となるわけではありません」と増井研究員。

 認知症になりやすい神経症傾向と、なりにくい誠実性や開放性は同じ人の中で共存できるもので、ストレスを受けても上手に発散したり、物の考え方を変えたりすることで、元の性格による影響を減らすことは可能だ。

 さらに、「近所付き合いや地域のサークル活動に参加するなど、社会にうまく溶け込んでいる人は神経症傾向の悪影響が出にくいことが分かっています。神経症傾向が強い人ほど趣味を楽しんだり、積極的に社会参加をしたりと、活動的な生活を維持していくことが大事です」と、増井研究員は説明する。

 「健康長寿への道は一つではありません。人は死ぬまで成長していくものであり、年齢に関係なく新鮮な刺激を受けて、関心のある事に取り組むのが一番ではないでしょうか」と増井研究員はアドバイスしている。