うつ病を再発させないために


うつ病の患者さんにおいて、症状が強く出る急性期はだいたい3ヵ月程度とされています。

その後は、少しずつ安定すると考えられていますが、この時期にうつ病が悪化したり、いったんよくなったと思っても再発しやすいことがさまざまな研究からわかっています。

再発を防止するために、薬を飲み続ける

いったん症状が安定しても、自己判断でお薬の量を減らしたり、通院をやめたりするのは危険です。

原則としてこれまでと変わらず、抗うつ薬を服用し続けることでうつ病の再発を防げるとされています。

抗うつ薬の中でも三環系と呼ばれるお薬が中心に用いられていた時代には、効果は強いものの副作用が強くあらわれる場合もあるため、継続して服用することに困難を感じる患者さんもいました。

しかし、現在では、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる抗うつ薬が開発され、治療の選択肢が増えたことで、薬物治療を続けやすくなったといわれています。

お薬の量を減らしたり中止したりするか、さらに長期にわたって再発を予防するために薬物療法を続けるかどうかは患者さんの状態をみながら、医師が判断を行います。

うつ病の治療は長期のスパンで考えられているため、途中で勝手に休薬をすると、せっかくの効果もムダになってしまいかねません。

油断しない、再発のサインに注意

うつ病の患者さんの多くは、いったん症状がよくなっても再発するケースが多く、50∼80%が再発するという報告もあります。

再発を防止するためには、医師から処方された薬を服用し続けるとともに、再発のサインをキャッチし、医師に相談することが重要です。

「前と同じような症状が出ているけど、2回目だからたいしたことはないだろう」「今は症状が落ちついているから、これ以上悪くなることはないはず」と思ってしまうのは危険です。

うつ病は、再発を繰り返すたびに症状がひどくなるともいわれています。

いったん症状が落ちついたからといって、安心してはいけません。

その油断が、うつ病を悪化させる原因となるかもしれないのです。