うつ病で気持ちが落ち込んでいる人は、言葉に対して過敏です。
何気ない言葉で心を深く傷つけてしまったり、思いやりで言ったつもりが逆に追い込んでしまうかもしれません。
いったい、どんな言葉が相手を傷つけてしまうのでしょうか?
うつを軽視する言葉
うつになると、愛情を求める一方で相手から拒絶されないか心配になります。相手の言葉をネガティブに受け止めやすく、態度が不誠実なのではと疑ってしまいがちです。
うつを軽く見るような発言は、無責任な印象を与えたり、自分のことを分かってくれないと思わせてしまったりするので、以下のような言葉は軽く言うべきではありません。
- 誰でも時には気分が落ち込むもの
- たいした問題ではない
- 世の中にはあなたよりもっと困っている人がいるのよ
- いったいどうしちゃったの?
- カラオケにでも行かない?落ち込んだ時はそれが一番!
- いつまでもメソメソしないで
感情的な言葉
うつ病になると欲求の多くが低下しがちです。せっかく美味しい物を作ってあげても食べてくれなかったり、夜、誘ってみてもあっさり拒絶されたり。何をするにも億劫になってしまうので、ぐうたらしているだけのように見えてしまうこともあるかもしれません。
うつの人は自責の念が強く、自信を失っていることが多いので、感情的な言葉は抑えるようにしましょう。以下のような言葉はNGです。
- せっかくあなたの為に作ってあげたのに…
- いい加減にして!
- 私を困らせたいだけなの?
- 役立たず
- あっちへ行って
- だらだらしていないで、何かしたら?
- 気合が足りない
励ましの言葉
意外な事に、うつ病では励ましの言葉もよくありません。頑張りたくても頑張れなくなってしまうのが、うつ病なのです。がんばれないことに悩んでいる相手に励ましの言葉をかけると、かえって相手を追い詰めてしまいます。以下のような言葉には注意が必要です。
- 頑張って!
- たまには笑顔を見せて
- 元気を出して
正しい接し方
まず、話を十分に聞いてあげることが大切です。うつになると気持ちが不安定になり、自分の周りのいろいろなことを不合理に感じやすくなります。たとえグチ
をこぼすだけであっても、話しをさせることによって、心の緊張を軽減できます。相手が話している間は、なるべく口を挟まないようにしましょう。
そして相手を励ましたいときは、言葉よりむしろ、相手の背中をさするといったスキンシップが良いと思います。
以上のような事を家族やパートナーが注意していても、時には何気ない言葉で相手を傷つけてしまうかもしれません。でも、治療を続けていくうちに、多くの場合、症状は改善していきます。あせりは禁物です。気長に相手を見守ってあげましょう。