治療について


うつ病の治療の流れには、大きく分けて「急性期」「回復期」があります。

急性期はくすりを飲みながら、うつ病の様々な症状を取り除いていく期間、回復期は症状の改善とともに社会復帰に向けて元の生活のペースを取り戻していく期間です。急性期と回復期ではくすりの飲み方や注意する点なども異なるため、家族や周囲の人は患者さんが今どの時期にいるのかを理解することも、治療をスムーズに進めるために重要となります。
医師はうつ病と診断したら、まず1種類のくすりを少量投与し、患者さんの様子をみます。その後1~3週間かけ、患者さんの状態によってはくすりの種類や量を増やしていきます。最終的にくすりが効いているかどうかの判断には、4~6週間の観察が必要といわれています。これが急性期です。

しばらくすると「症状がよくなってきた」と飲む回数を減らしたり、飲むこと自体をやめてしまう患者さんもいますが、こうした行為はうつ病を悪化させるおそれがあるため、勝手な自己判断は禁物です。

また、回復期に入ってくすりの効果があらわれると「おっくう感」が抜け、意欲が高まるとともに「希死念慮(死にたくなる)」があらわれることがあります。回復傾向にむかいつつありながら突然自殺を図る危険性があるため、この時期、家族や周囲の人はより細心の注意が必要です。
うつ病の患者さんの多くは、回復期に入っていったん症状がよくなっても再発するケースが多く、2~3年以内に50~80%が再発するという報告もあります(※1)。再発を繰り返すたびにうつ病がひどくなるケースもあり、症状がよくなったからと安心はできません。

では、再発を防止するためにはどのような方法があるのでしょうか?

うつ病の治療においては、いったん症状が改善されても、その時点で薬物療法をストップすることはありません。その状態を保ちつつ、再発を防止するために抗うつ薬を飲みつづけます。これを維持療法といいます。

「気分がよくなったから、もうくすりはいらない」と勝手にきめつけず、医師の判断に従ってください。また、ストレスをためない生活をこころがけるとともに、万が一再発のサインがあらわれたら、すぐに医師に相談するようにしましょう。